シンガポールでデング熱が流行している。6月の上旬の2週間で1,158人がデング熱に感染し、今年の感染者は累計で11,166人、死者が12人(株式会社NNA提供)になっています。日本でも毎年100人ほどの感染者が報告されていて、過去には流行したこともあります。
デング熱は蚊によって媒介される病気で、デング熱ウィルスが原因です。日本ではヤブカのうちヒトスジシマカによって媒介されますが、近年の温暖化によってその生息域は北海道まで広がっています。
デング熱の症状は、突然の発熱、悪心・嘔吐、下痢、関節や筋肉の痛み、頭痛、皮疹(White island in the red sea、紅斑の中に白い部分が点在)などが特徴です。まれに、デング出血熱と呼ばれる血管漏出症状が出現し重症化して死に至ることもあります。
予防には、流行時に蚊にかまれないことです。蚊の出やすい環境では長袖服を着るとか、防虫剤を皮膚に塗布して蚊にかまれないようにし、特にヒトスジシマカの活動時間である昼間の対策が重要です。生活環境としては、ボウフラが繁殖しやすい側溝や水たまりに駆除剤を散布するなどが考えられます。
ちなみに、デング熱のデングの由来は、スペイン語のdengosoが英語のdandyと語源が同じで、気取って歩くの意から、デング熱患者が背中や関節の痛みで気取り歩きしているように見えるところからきているという説があります。