AMA誌2020年7月9日リサーチレターでの報告によると、ローマの大学病院の研究グループが、新型コロナウィルスから回復し退院した患者における持続的な症状についての追跡調査の結果を発表しました。期間は2020年4月21日から5月29日までで、対象は143例で、持続している症状(後遺症)とQOL(Quality of life、生活の質)の点数(0点(最低)から100点(最高))を聞き取りました。対象は、男性90例、女性53例で、平均年齢は57歳でした。新型コロナウィルス感染症発症から評価時点までの平均日数は60日目でした。評価時点での有症状者は125例(87%)、無症状者は18例(13%)でした。
持続する症状は、倦怠感(53%)、呼吸困難(43%)、関節痛(27%)、胸痛(22%)の順に多く、この他には咳、臭覚異常、ドライマウス/ドライアイ、鼻炎、目の充血、味覚異常、頭痛、喀痰、食欲不振、咽頭痛、めまい、筋肉痛や下痢を訴える者がありまりた。
本件研究については、143例という少数の患者によるしかも単一施設での調査であることと対照群がなかったことから、今回の結果が必ずしも新型コロナウィルス感染症の後遺症とは言い切れない点にも言及しています。そのうえで、新型コロナウィルス感染症の多彩な後遺症の可能性を勘案しますと、人類の脅威として、効果的な対応や対策が急務であると思います。