新型コロナウィルス感染症の検査における検体採取については、くしゃみ(飛沫感染の危険)を誘発する鼻咽頭粘膜拭い液よりは、安全に採取できる唾液の方が現場では効率的です。

これまで、唾液によるPCR検査(遺伝子増幅による検査)が発症後9日までのものについて認められてきました。しかし、PCR検査は検査結果が判明するまでに数時間を要する点で、検査数を増やすこと、あるいは感染者を早く医療に繋げるという観点では、大きな課題があり、検査結果が出るまでに30分程度で済む唾液による抗原検査(ウィルスの特定タンパクを感知する検査)の承認が待たれていました。

このたび、唾液による抗原検査の試薬を厚生労働省が承認(6月19日)しました。この検査には特定の機器が必要でありますが、これに供することのできる機器は国内には、現在約800台あり、増産の予定もあるとのことです。

このことで、新型コロナウィルス感染症が疑われる人々の検査において、検体を採取する医療関係者にとってはより安全に、検査を受ける人々にとっては結果の判明までがより短縮されることになり、防疫体制の強化につながると思います。