熱中症の夏、キーとなる数字は25です。夏日は最高気温が25℃以上、熱帯夜は最低気温が25℃以上です。熱中症の危険性を総合的に把握するにはWBGT値(Wet Bulb Globe Temperature、湿球黒球温度計)が必須です。気温と湿度と輻射熱を総合的に組み込んだ指標です。WBGT血が25を超えると熱中症の警戒域に入ります。熱中症への備えは25からです。

熱中症を避けるための作業環境管理は、冷房、除湿の装置、水分や塩飴の常設などです。

作業管理は 休憩時間の確保と水分補給です。

体が高温になれるまでの順化期間にも留意して、はじめは休憩時間を長めに設定するなどの工夫が必要です。・・

熱中症の人がでたら、まず涼しいところへ移動、衣服を緩め、氷嚢で後頭部や首筋を冷やす。大切なのは、軽症と思っても、決して帰さない、決して一人にしない、必ず救急搬送し医療機関に委ねる。2025年の厚生労働省の調査では、熱中症で死亡した人の6割は休息させて様子を見ているうち、あるいは早退させた後に自宅で亡くなっている。休息させるだけでは危険、早退させては危険ということである。熱中症の病態が、進行性の経過をたどることに留意しなければならない。熱中症を疑ったら、軽症か重症かの判断は無用とも言える。医療機関に救急搬送することが、安全配慮義務を果たすことになる、ここが肝要です。

皆様、夏季には熱中症を避けるためにも、深酒禁止や睡眠確保、朝食を抜かないなどの体調管理に気を付けてください。

 

*熱中症予防に留意した「換気の悪い密閉空間」における換気方法を厚生労働省が発表しました。(6/19)

換気機能のない循環式エアコンを使用している施設では、換気を堅実に行うと室内の温度と湿度を基準値(28℃以下・70%以下)に維持できないことがあります。新型コロナウィルス感染症下における換気の継続と熱中症予防を両立するための2つの方針を打ち出しました。

  • 温度28℃以下・湿度70%以下に維持できる範囲内で、2方向の窓を開けて換気する。
  • 窓を十分に開けられない場合は、可搬式の空気清浄機を併用することは換気には有効である。(空気清浄機の性能は、HEPAフィルタろ過式・風量5㎥/min以上で、6畳程度に一台設置を推奨)

の2点です。換気機能がある循環式エアコンを使用している場合でも、総じて、ビル管理法における空気環境の調整に関する基準に(温度17~28℃余白、湿度40%~70%)に適合するように調整することを勧めています。

室内ではマスクを装着していることが多い昨今、特に熱中症の発生に留意しなければならないところです。この時期に厚生労働省が、換気と温度・湿度の調節方法を、目標数値基準とともに周知したことは、迅速で的確な対応として評価すべきことだと思います。