マダニは2回脱皮します。マダニにとっての唯一の栄養素は動物の血液です。幼ダニ・若ダニは脱皮に備え、成ダニは産卵に備えて吸血します。皮膚にしっかりと口器を突き刺して、数日から10日に及んで吸血します。無理に引き抜くと一部が皮膚に残ってマダニの体液が宿主に入る危険性があります。マダニの体液には重大な病気の原因になるウィルスなどが含まれていることがあります。
マダニに咬まれたとわかったら、皮膚科に行って皮膚に喰いいついているマダニを完全にしかも安全にとり除いてもらうようにしましょう。マダニに咬まれてかかる病気は、その発症までに数日から数週間に及ぶことがあるので注意が必要です。
重症熱性血小板減少症候群(SFTS)やダニ媒介脳炎のように比較的死亡率の高い病気があることに留意しなければなりません。マダニに咬まれるような場所で作業をしたり、ハイキングに行ったりしたときは、その後数週間は体調の変化に気をつけましょう。体調の異変に気づいたら、すぐに医療機関を受診しなければなりません。
マダニに媒介される病気には残念ながら特効薬がないため、一義的に大切なのはマダニに咬まれないことであります。春から秋にかけて山野に出かけるときは、長袖シャツ、長裾ズボン、靴下、帽子、手袋、首周りのタオルを着用してください。シャツの袖は手袋の下に、ズボンの裾は靴下の下に入れて肌の露出を少なくしましょう。虫よけ剤を使用して、服の色を明るくすることでマダニを寄せ付けないようにしましょう。帰宅後はマダニに咬まれていないか全身をチェックしてください。
山野にマダニあり、ご注意を!