労働年齢の高齢化は周知の事実です。また、高年齢労働者の労働災害が多いのも周知の事実です。

労働省は、エイジフレンドリ-ガイドラインを発表(令和2年3月)し、高年齢労働者の労働災害防止に向けて、高年齢労働者自身及び事業者が取り組むべき指針を啓示しました。

高年齢労働者自身あるいは事業者は以下の5つの項目について、積極的に協働して取り組む必要があります。

1安全衛生管理の人的体制を確立する。

2職場環境を高年齢労働者向けに改善する。

3高年齢労働者の健康や体力を把握する。

4その状況に応じた対策を練る。

5安全衛生教育を受ける。

 

具体的な内容としては以下の通りとなります。

事業者は考える方針や目指す体制を表明して、その内容について安全衛生委員会等を利用して労使で話し合う機会を設けます。

働きやすい職場環境が高年齢労働者の就業意欲を育むことを共有することが大切です。
高年齢労働者にとって危険と思われる環境については、リスクアセスメントの必要性があります。

高年齢労働の身体的特徴を考慮した労働環境の醸成に留意しなければなりません。
視力低下や明暗対応力低下を補う照度調整、手すりの設置、床面に防滑素材の使用、警報音は中低音域を採用、暑熱環境への対処、パワーアシストの使用などの配慮します。

作業管理としては、短時間勤務、隔日勤務、などを考慮、休息・休止時間の運用における工夫などが考えられます。

定期健康診断の確実な実施、体力測定(フレイルチェック、転倒等リスク評価セルフチェック票)の実施、結果として得られる健康情報は、個人が特定されないように適切に取り扱います。

一般的にみた高年齢労働者向けの業務や個々の高年齢労働者に適した業務の選択が必要です。高年齢労働者においても、メンタルヘルス対策が適切になされなければなりません。

安全衛生教育については、高年齢労働者自身と管理監督者の両方になされなければなりません。高年齢労働者は自らの体力低下を正しく理解し、労働災害の危険性が高いことを認識して、危険予知トレーニング(KYT)などを活用して意識向上に努めます。一方、管理監督者におかれては、加齢に伴う労働災害リスクの増大についての教育を受けることが必要であって、救命講習や緊急時対応の教育なども必要であります。

 

厚生労働省のガイドラインには、文章の他に多くの図表が添付されていて、理解しやすい内容になっていますのでご一読をお勧めいたします。

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エイジフレンドリ-ガイドライン