*2020年6月20日に「奈良県のPCR検査対象拡大の方針について」を追記しました。
併せてご参照ください。
リンク→新型コロナウィルスの検査方法の特徴について
新型コロナウィルスの検査方法には、抗原検査とPCR検査(遺伝子検査)、抗体検査があります。抗原検査は、ウィルスを構成するタンパク質を認識する検査です。PCR検査は、ウィルスの遺伝子の一部を増幅してウィルス遺伝子の有無をみる検査です。抗体検査は、ウィルスに感染した体内に生成された抗体量を測定する検査です。
それぞれの検査の特徴は下表となります。
PCR検査のサンプルについては、鼻咽頭拭い液での検査結果と唾液での検査結果が高い確率で一致することが厚労省研究で明らかになっています。唾液による検査では、鼻咽頭拭い液に比べれば、サンプリング時の感染の危険性がかなり軽減されるため、汎用される可能性があります。
感染の有無をとらえるにはPCR検査が最も確実です。抗原検査については、陽性であれば感染ありでよいですが、陰性の場合でも一定割合で偽陰性があると言われています。よって、抗原検査で陰性の場合は、PCR検査に回すことが推奨されています。また、無症状者には抗原検査は推奨されていません。抗体検査は過去の感染歴の有無を判定できますが、抵抗力の担保として確実なものではありません。
この冬に向けて、インフルエンザウィルスと同様のサンプリングと似た手技の検査キットで測定できる抗原検査をうまく利用することと、安全にサンプリングできる唾液によるPCR検査をいかに汎用化できるかが課題であると思います。