感染症に対するワクチンについては、接種後の時間経過による有効率の減衰が一般的に知られています。新型コロナワクチンについても同様の傾向があることが論文としてLancet誌に発表されましたので、その概要をお知らせします。

被検者の数は約344万人、年齢中央値は45歳、女性の比率が52.4%で、検証期間は2020年12月14日から2021年8月8日であった。新型コロナウィルスのデルタ変異株に対する感染予防効果は2回接種後1か月では93%と高かったものの、4か月後には53%に低下していたという内容です。ワクチンの有効率は比較的短期間に減衰するようです。

一般の感染症に対するワクチンの有効率の時間的推移と同じく、新型コロナワクチンにおいても接種後の時間経過による有効率の減衰が示されました。新型コロナウィルスの日常実臨床の経験からも同様の傾向が語られていて、新型コロナワクチンについては、3回目の接種の必要性が強調されています。3回目の接種となるとその副反応の程度が重症化しないかなど気になるところですが、3回目の接種の効果が副反応のマイナス点を凌駕するとの考えから3回目の接種を推奨する意見が多いです。

3回目の接種についても医療従事者から開始されるようですので、そのあたりの経緯をニュース報道などで注意深くみて、ご自身の接種の可否についての参考にしていただくのがよいと考えています。