定年延長は時代の趨勢であり、定年がなくなるとさえ言われ、まさに高齢就労者の時代でもあります。高齢就労者の特徴と言えば、その身体機能の低下と熟練からくる見識を、私はあげます。

身体機能の低下は、平衡機能、敏捷性の低下、夜勤後の体力回復能力、聴力、視力の低下などで強くみられます。そのため必要とされることは、定型的な作業手順、勤務時間の余裕、十分な訓練時間、歩行路の滑りをなくすなどの作業管理が考えられます。60歳代以降においては労働災害の発生率が高くなり、特に転倒、転落の事故が多くなります。階段手すりの設置、カーブミラーの設置や適切な照明などの配慮が必要です。

一方で、高齢就労者の熟練からくる見識については、複合して高度な能力を形成することも稀ではありません。高齢者の見識を引き出すためには、若年就労者との協調や独自のペースを維持できるような環境の維持に配慮しなければならないと思います。

高齢就業者の時代になり、高齢就業者フレンドリーの考え方が常識になってきました。高齢就業者の意見を聞くとともに、職場巡視を通して高齢就労者にとって適正な職場環境が維持されているかを確かめることは大切です。高齢就労者への配慮を通して、試されているのは若い就労者の方々かもしれません。