労働の安全衛生目標を5年ごとに厚生労働省が示すのが労働災害防止計画であります。現在は第13次労働災害防止計画(2018年4月1日から2023年3月31日まで)となっています。ここで、次の8つの重点事項が目標としてあげられています。

  • 死亡災害の撲滅を目指した対策
  • 過労死の防止を目指した対策
  • 働き方の多様化に対応した対策
  • 疾病を抱える労働者への対策
  • 化学物質の健康傷害防止の対策
  • 企業あるいは業界単位での安全衛生対策
  • 安全衛生に向けての組織及び人材の育成
  • 全国民的な安全衛生意識向上の対策

それぞれの目標について、期間中の初年度にするべき取り組みと期間中にするべき取り組みの内容について列記しています。具体的な数値目標と実行するべき手段に触れています。その中で、数値目標があげられている項目は特に重点的な目標として位置づけされているものと考えられていますので、以下に抜粋します。

①全体で、死亡災害を15%以上減少、死傷災害を5%以上減少

②建設業、製造業、林業の死亡災害15%以上減少、陸上貨物運送業、小売業、社会福祉施設、飲食店の死傷災害を5%減少

③その他の目標
・ストレスについての相談先が事業場内外にある労働者の割合90%以上
・メンタルヘルス対策に取り組んでいる事業場の割合80%以上
・ストレスチェックの集団分析結果を活用している事業場の割合60%以上
・化学物質のランベル表示とSDS交付を行う業者の割合80%以上
・腰痛の死傷者数5%減少
・業務中における熱中症による死亡者数の5%以上の減少

これらの数値目標については、各事業所における位置づけという観点からは軽重があるものと思われますが、数値目標をあげているという点に厚生労働省の現状への危機感が窺えます。いずれにしても、これらの重点項目を意識して日々の労働安全衛生課題に取り組む姿勢の堅持こそが求められていると思います。